「メリエスの素晴らしき映画魔術」&「月世界旅行」

メリエス(ジョルジュ・メリエス)の名前を知らなくても、
このチラシにある擬人化された月の目に、ロケット弾が当たっている
シーンを見たことがある人は多いのではないでしょうか。

でも多分、それはモノクロだったと思います。
私も過去にTVで何度かこのシーンを見ていますがモノクロでした。

さて、SF映画の父(または映画の父)と言われる
ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」は1902(明治35)年の特撮作品。

その作品の「幻」と言われたカラー版(手作業で彩色された作品)が
奇跡的に発見され、現代のデジタル技術を用いた修復作業により、
110年ぶりに蘇ってついに日本上陸・・・ということで観に行ってきました。

本編は15分32秒、当時はかなりの長編とされていたようです。

今回は本編上映の前にドキュメンタリー映像作品として
「メリエスの素晴らしき映画魔術」(63分)が上映されているのですが、
これがまた良いのです。

奇術師だったメリエスが映画(リュミエール兄弟の「シネマトグラフ」)に
魅せられ、自分も撮影していく中でイマジネーションを広げ、
いろいろな技法を生み出し、SF映画の起源となる作品を作り出して行く。

現存する当時の映像も挟みながら、映画の歴史やメリエスの盛衰を追い、
失われた「月世界旅行」と奇跡の発見、そして職人技が光る修復作業。

その歴史や修復に至る過程を見た上で、成果とも言える
蘇った「月世界旅行」を観るという流れがよかったです。
(元々、私はメイキング映像などを見るのが好きなのですが・・・)

メリエスの時代の映画はセリフがありません。いわゆるトーキー以前。
なので必然的にその動きやシーンからストーリーを読むしかないのですが、
そのせいか動きがややオーバーでコミカルな印象。

すごいのは、メリエス自身が撮影のみならず脚本も書き、出演もして、
さらには美術(背景画やセットなど)までも担当しているのです。

でも何でも自分でやっているせいか、量産体制を強いられてからは
次第にマンネリになり世間にも飽きられ、負債を抱えた挙句に破産してしまい、
晩年はモンマルトルの駅の売店でおもちゃなどを販売して糊口をしのぐ
・・・という生活をしていたようです。

でもそれはそれで決して不幸ではなかったと、子孫の方が語っているとのこと。

その晩年のメリエスが、マーティン・スコセッシ監督の
「ヒューゴの不思議な発明」という作品に重要な役柄で登場しているそうで。
(残念ながら私は未見ですが)

何はともあれ歴史的な作品のフルバージョンを、
カラー&デジタルリマスター版で観ることが出来たのは良い経験でした。
いずれDVDなどになるのでしょうかね? (※Blu-ray になったようです)

公式サイト⇒「月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術オフィシャルHP」

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アナログ放送終了画面

アナログ放送が 7月24日の正午に終了し、同月25日の午前0時で
完全停波しました。

Wikipediaによると、日本での地上波テレビ放送は、
1953年(昭和28年)2月1日にNHKの放送が開始されたとあったので、
約58年(半世紀以上!)もの間続いた歴史に幕を下したわけですね。

放送終了後は各局どこもあまり変わり映えのしないブルーバックの
お知らせ画面になっていました。

誰もがやりそうなことと思いつつも、記録として画面を残しておくことに。

▽「NHK(総合/教育共通)」と「日本テレビ」

01_nhk 02_ntv

▽「TBSテレビ」と「フジテレビ」

03_tbs 04_cx

▽「テレビ朝日」と「テレビ東京」

05_anb 06_jotxdtv

▽「TOKYO MX」と「放送大学」

07_mxtv 08_ouj

「アナログ」の文字が残っていたのはNHK(総合/教育)と放送大学。
(実は私、この「アナログ」文字が何というフォントなのか、ずっと気になっています)

NHKだけは文字に色が使われていて、ちょっぴりカラフルな印象。

TBSのみ、お礼のメッセージが添えられていました。

各局ともBGMやアナウンスが流れていましたが、放送大学は無音。

停波寸前にTBSにしていたら、最後にキャラクターのBooBo(ブーブ)
が出てきてお礼のセリフを言い、一礼した後に完全停波しました。

ちなみに私の視聴環境がPCのせいか、
完全停波後は「砂嵐」にはならず、真っ暗な画面になりました。

さて、これで世の中はデジタル放送に完全移行となりましたね。
ウチの地デジ化はどうしようか・・・ま、そのうち考えることにします。

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『127時間』を観ました(ネタバレあり)

127h

127時間は、5日と7時間

そのあいだ、渓谷に落ちて落石に右腕を挟まれ、
身動きが取れなくなった主人公アーロンが、それまでの
自分の生きざまを振り返り、生きるための決断をするという話。

そんな『127時間』を観てきました。

とにかくオープニングから目的地にたどり着くあたりまでの
映像と音楽が合っていて、ノリが良くてカッコいい。
ムダがなくてスタイリッシュでスピーディ。

そのオープニング曲はFree BloodNever Hear Surf Music Again.

アーロンが聴いている曲としてシーンが変わっていくのですが、
出会った女性(迷子のハイカー)に、そんな音楽を聴いているうちは
恋人も出来ないわよ、みたいなことを言われてた・・・。

さて、右腕の自由を奪われてから、最初は驚きと怒りがこみ上げる
アーロンだけど、やがて冷静さを取り戻して持ち物点検を始める。

その後はビデオに記録を残しつつ、何が出来るかを考えて実行していく。

その過程を見ていても、彼が個人能力が高い人物だということがわかる。
メンタルコントロールも出来ているし。
確かに人をバカにしないまでも、他人を頼るなんてことはしそうにないね。

しかし、彼が助けを呼ぶ声がどこにも誰にも届かないことを、
そして大自然の中では人間はちっぽけな存在でしかないことを
思い知らせるように、どんどんカメラが引いていって、
彼が落ちた渓谷の裂け目が遠くに見えていくシーンなんかは、
美しくも怖さを感じさせるものだったな~。

アーロンって名前からも、alone という単語を連想してしまったりして。

終盤、彼がそれまでの自分の生きざまを振り返り、反省する
「ひとりラジオショー」が面白かった。

面白がってはいけないのかもしれないけど、そのおかげで
「登場人物が回想シーンを除いてほとんど彼一人」いうストーリーに
アクセントがついて、中だるみしないで済んだとも思う。
(ラジオショーじゃなくて、テレビショーだったかな?)

そして命の限界に近づいたとき、彼はついに決断し実行する。

それはさながらSAWシリーズの世界。ジグソウが見たら感動するかも。
(私はその一部始終を正視することは出来ませんでしたが・・・)

自分がどうなってしまうのかわからない状況に追い込まれたり、
死が近づいてくるのを感じた人間は記録を残そうとするものなのか。
ふと、『イントゥ・ザ・ワイルド』を思い出してしまった。

とにかく94分間、結末がある程度わかっていても、
飽きることなく最後まで見ることが出来る作品だった。

ちなみにレディースデーだったけど、男性客が意外と多かったな~。

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目玉焼き+ご飯→『猿の手』

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俳優の小栗旬が『目玉焼きのっけご飯』を作って、
その上から味の素を大量に振りかけるというCMを見て。

【味の素KK】教えて!AJIテク
TVCM「溶岩目玉焼きのっけご飯」

化学調味料が苦手な私にはあり得ない味付けだけど、
「ご飯に目玉焼きを乗せる」という図を見ると思い出すのは
オーソン・ウェルズ劇場『猿の手』という作品。

それはかなり昔のこと。(高校を卒業した頃だったかな?)
恩師のお宅を訪問し、合流する人を待っている時、
手持ち無沙汰でふと目にした新聞のテレビ欄に
『オーソン・ウェルズ劇場』の文字を見つけてしまった私。
しかもその日の放送は初回で、見たかった『猿の手』

『猿の手』は多分、誰かのエッセイか何かで紹介されて
いたのを読んで、見てみたいと思っていたんだと思うけど、
その元ネタが何だったのかはどうしても思い出せない。
(当時よく読んでいた渋澤龍彦かと思ったけど、どうも違うようで・・・)

とりあえず時間になったら見せてもらえることになり、
その後、もう一人の方も合流。

すると恩師の先生が、
「腹減っただろ?簡単だけどうまいもの作ってやる」と言い、
作ってくれたのが 「目玉焼きのっけご飯」
(丼ではなく皿盛りでしたが)
「これにさっと醤油をかけて食うとうまいんだ」と先生。

そうして私たちは 「目玉焼きのっけご飯」を食べて、
オーソン・ウェルズの『猿の手』を見るに至ったわけですが、
今思い出しても何だか奇妙な体験だったな~と。

それがいまだに記憶の中で結びついているということは、
自分で思う以上に強烈な印象が残っているんでしょうね。

ちなみにこの『猿の手』は、W・W・ジェイコブズ原作の
短編小説を元にした、よくある「3つの願い」を題材にした話。
ストーリーを知りたい人はWikiで。(映像は見れないけど)

『オーソン・ウェルズ劇場』ってDVD化されてないのね。
残念・・・。DVD化されたら全編見てみたいと思うのでした。

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GyaO!の動画で 『タイガーマスク』

Tiger_pit

この「虎の穴」のオープニングカットは、やっぱりカッコいい。
虎に羽をつけたのは正解。

『タイガーマスク』、見たのはアニメの1作目の方です。

Wikipediaによると、初回放送が 1969年とあったので、
私が子供の頃に見てたのは再放送だったと思うけど、
つい懐かしくなり、7話まで無料配信していたので一気見。

改めて見ると荒唐無稽というか、時代を感じますね~。

リアルタイガーの方は代を重ねているみたいだけど、
私がファイトを見たのは初代タイガーだけだと思う。
寅年のせいか、CMにもちょこちょこ出ているようですね。
(カルビーのCM出演は四代目、パチンコCMの方は正体不明らしい)

GyaO!での動画(7話まで)は、2010年12月31日まで配信中。

★FEAVERタイガーマスク 【アニメ版タイガーマスク】

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この男にも許されない !?

Wolverine

警察庁による「ダガーナイフ所持禁止」の啓発ポスター。
ヤボ用で役所に行った時、壁に貼ってあって目に留まりました。

なんでウルヴァリンが?と、あとあと気になって調べてみたら、
正式に協力しているようです

「ダガーナイフ」と指定書きされていますが、
刃渡り5.5センチ以上で両刃の刃物(剣)を指すようです。
それらを含めて銃刀法の対象範囲が拡大していることを
アピールしているわけですね。

しかし、ウルヴァリンは 「この男にも許されない!」
と言われても、体の構造的に困るのではないでしょうか?
よく協力したな~(っていうか、採用した警察庁も警察庁か・・・)

映画の公開(9/11)が近いので、タイアップ広告ということで。

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『天使と悪魔』を観ました

映画『天使と悪魔』チケット

トム・ハンクス主演の『天使と悪魔』 を観てきました。
上映時間は2時間ちょっとありますが、スピード感があって、
衝撃(!)のラストまで一気に加速して行きます。

でも何だか 「振り回されてる感」が強くて疲れてしまい、
後半は何度か時計を見てしまったり・・・。

前作の 『ダ・ヴィンチ・コード』 も映画館でも観たし、
先週土曜日に地上波で放映していたのも見てたけど、
集中出来ずに 「ながら見」になってしまったりと、どうも入り込めない。
宗教色が濃いとダメなのかも。

さて、この記事は 「ネタバレ」 にはなっていないと思うけど、
読む人にもよると思うので、勘の鋭い人や何も知りたくない人は、
これ以降をお読みにならない方が良いかと思います。
「核心に触れなければ別にいいよ」 という人は続きをどうぞ。

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今回の 『天使と悪魔』 で、秘密結社 「イルミナティ」 の
中心人物であったとされるガリレオが好んだ対称性の象徴として、
180度回転させても同じように見える紋章「アンビグラム」
というのが登場します。

実は公開前からラジオのタイアップ企画で、
その 「アンビグラム」 にスポットを当てて、
“現代に甦ったアンビグラム” として、
「回文」 のコンテストをやったりしていました。
アンビグラムはデザイン文字だから回文とは違うけど、
その「山本山」的な発想をこじつけたのは面白いと思う)

それでてっきり 「アンビグラム」とか「対称性」という
キーワードが重要な意味を持つのかと思っていたら、
全然そうじゃなかったのでした。
(原作は読んでないからわからないけど)

つまり映画では、「ガリレオの弾圧」「秘密結社」
「イルミナティ」「対称性」「アンビグラム」 など、
そういったキーワードは随所に散りばめられているものの、
散りばめられているだけで、特に重要視されていないのです。
(少なくとも私はそう思いました)

「謎」は主に犯人からの声明文から読み解かれていくし、
それを解くのはラングドン教授に任せておけば良くて、
観客はそんなこと考えているヒマなんかないんだから。

原作は上・中・下巻と3冊あるようなので、
それを約2時間にまとめるのは、やはりムリがあるというもの。

でも基本的には予備知識がなくても大丈夫な内容でした。
(ペースは速いけど、ラングドン教授が説明してくれるので)

だから、ただただ物語の流れに身を任せて、
ローマやヴァチカンの風景も見ながら、ラストシーンまで
連れて行ってもらえば素直に楽しめるんじゃないかと思ったりして。

ただ私にはどうしても犯人の動機付けが伝わってこなくて・・・。
あんなに謎を作る手間をかけて (お金もかかってると思う)、
中には出たトコ勝負みたいな場面もあったりしたけど、
彼のやりたかったことって本当は何だったのかな~?って。

一応信念というか、理想のようなことは言ってたような
気がするけど、そのために何がしたいのかは言ってたかなぁ?
誰にも理解されなくて暴走したようにしか見えなかったけど。
挙げ句の果てに・・・・・(以下略)。

と、犯人やその犯行に対していろいろ疑問をいだきつつも、
それを書くとネタバレになるので (もうなってる?)、
書くワケにもいかず、歯切れの悪い記事になってしまいました。

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『落下の王国』を観ました

映画「落下の王国」チラシ

シネスイッチは金曜日がレディース・デーだったので、
仕事の帰りに観てきました。

この『落下の王国』は実はノーチェックの映画だったのですが、
職場で配られるシティリビングに載っていた紹介記事を読んで、
観に行く気になりました。

1915年のロサンゼルスが舞台。
スタント俳優のロイが事故で入院する。

再起不能かと絶望し、自殺願望に囚われてしまい、
病院内で知り合った腕をケガして入院している
5歳の少女をうまく操って薬を手に入れようとする。

言うことを聞いてもらおうとしてその少女の気を惹くため、
思いつきの作り話をして聞かせるが、
その夢物語に少女は引き込まれ、話し手のロイになついていく。

その夢物語の映像は世界遺産で撮影され、
登場人物の衣装担当は石岡瑛子。
(北京オリンピック開会式の衣装も担当した方です)

見ていると何となくですが、
スターウォーズのアミダラ姫の衣装デザインなどに
近いものを感じたりしました。
(アミダラ姫の衣装デザイナーはトリシャ・ビガー)

監督はインド人のターセム。

これが2作目らしいけど映像に対する美意識に妥協を許さないため、
撮影費を自費で賄ったとか。
(実はそれを読んで観に行く気になったのですが・・・)

とにかく映像の発色とコントラストは目を見張るものがありました。
衣装もそうだけど、空の青さや日照りの暑さ。迷路のような建物。

ストーリーはともかく、ここを撮りたい、これを撮りたい、こう撮りたい、
と言ったような気持ちの方が強く伝わってきたような気がします。

この監督のデビュー作 「セル」 は、
心理学者が殺人犯の意識の中に潜入するというストーリーで、
その意識の中の世界の衣装を担当しているのが、
今回と同じ石岡瑛子です。

その意識映像の中では、ダミアン・ハーストの作品や、
フランスのアーティストの作品などが引用されているらしい。
ちょっと観てみたい気もします。

さて、「落下の王国」 に話を戻しますが、
本編の方も、おとぎ話をせがむ女の子の無邪気さが可愛く、
同時に切なさも感じるところがありました。

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